レパートリー邦画:現代劇

小津安二郎監督

『生れてはみたけれど』

1932年(昭和7年) 松竹キネマ蒲田作品 91分

監督/小津安二郎  原作/ジェームス・槇

出演/斎藤達雄、吉川満子、菅原秀雄、突貫小僧、坂本武

 

小津安二郎監督初のキネ旬ベストテン第1位。

子どもから見た大人の世界を笑いと皮肉たっぷりに描く<小市民映画>の最高傑作。

 

 

『東京の合唱(コーラス)』

1931年(昭和6年) 松竹キネマ蒲田作品 91分

監督/小津安二郎  脚本/野田高梧

出演/岡田時彦、八雲恵美子、斎藤達雄、菅原秀雄、高峰秀子

 

キネ旬第3位。会社をクビになった岡島が妻子を抱え途方にくれる。

人生の哀歓と人の情をコミカルに描いた傑作。

 

 

『出来ごころ』

1933年(昭和8年) 松竹キネマ蒲田作品 101分

監督/小津安二郎

出演/坂本武、大日方傅、飯田蝶子、伏見信子、突貫小僧

 

“喜八もの”と呼ばれる小津監督の下町人情喜劇シリーズの決定版。

裏長屋に住む喜八と息子富夫(突貫小僧)の親子の愛、友情、人情、不器用な恋、

笑わせ泣かせる名作。昭和8年キネ旬第1位。

 

 

『浮草物語』

1934年(昭和9年) 松竹キネマ蒲田作品 87分

監督/小津安二郎

出演/坂本武、飯田蝶子、八雲理恵子、坪内美子、三井秀男、突貫小僧

 

旅芸人一座の座長喜八をとりまく人間模様を描く

父と子の愛情、男と女の愛憎を、時代とともに浮草稼業の一座に反映させた“喜八もの”シリーズの代表作。昭和9年キネ旬第1位。

 

 

『大学は出たけれど』

1929年(昭和4年) 松竹キネマ蒲田作品 縮刷版16分

監督/小津安二郎  原作/清水宏

出演/高田稔、田中絹代、鈴木歌子

 

社会状況が現在と似ている昭和4年の小津作品。

就職難の中、のんきな青年も許婚の姿に成長していく。小津の笑いのセンスが見える。

 

 

『落第はしたけれど』

1930年(昭和5年) 松竹キネマ蒲田作品 分

監督・原作/小津安二郎  脚色/伏見晃

出演/斎藤達雄、田中絹代、突貫小僧

 

『大学は出たけれど』に続く小津の「けれど」もの主人公高橋はカンニングに失敗し落第はしたけれど、就職難のため卒業した仲間は仕事がなく

留年した高橋をうらやましがるというオチ。

無声映画なのに音が聴こえてきそうなほどテンポのよい、リズムのある傑作コメディ

 

 

『淑女と髯』

1931年(昭和6年) 松竹キネマ蒲田作品 75分

監督/小津安二郎  原作・脚色 北村小松

出演/岡田時彦、川崎弘子、飯田蝶子、伊達里子、月田一郎

 

ひげ面の剣道部バンカラ大学生とオフィス・ガールの恋を、ナンセンス喜劇に仕立てた佳作

ギャグセンスにたけた岡田時彦の二枚目半ぶりがこの作品を際立たせている

 

 

『その夜の妻

1930年(昭和5年) 松竹キネマ蒲田作品 66分

監督/小津安二郎  脚色/野田高梧

出演/岡田時彦、八雲恵美子、市村美津子、斎藤達雄

 

「着物でなければアメリカ映画そのもの」と評されたハリウッドの影響色濃い小津のサスペンス映画。普通の真面目な男が、ある時病気の娘のために罪を犯す。その夜、妻は・・・

夜9時から朝9時までを描いた物語。

 

 

『東京の女』

1933年(昭和8年) 松竹キネマ蒲田作品 47分

監督/小津安二郎  脚色/野田高梧、池田忠雄

出演/岡田嘉子、江川宇礼雄、田中絹代

 

左翼への弾圧が強まり、政治結社の活動等は描けなくなった頃の作品。

この年は自殺者も急増し、暗い時代を反映した作品となった。

 

 

『母を恋わずや』

1934年(昭和9年) 松竹キネマ蒲田作品 93分冒頭とラストの巻が欠損

監督/小津安二郎  構成/野田高梧  脚色/池田忠雄

出演/吉川満子、大日方傅、三井秀男

 

父親に先立たれ、母と残された息子二人。

長男は先妻の子だったが、実の子の弟より自分に甘い母に反発し、身をひこうとする。

吉川満子演ずる、子を思う母の姿が胸をうつ良心的作品。

 

 

『突貫小僧』

1929年(昭和4年) 松竹キネマ蒲田作品 18分

監督/小津安二郎

出演/突貫小僧、斎藤達雄、坂本武

 

突貫小僧こと青木富夫の出世作。誘拐された坊やが、誘拐犯たちを困らせる爆笑喜劇。

斎藤達雄演ずる誘拐犯とその親分(坂本武)

そして突貫小僧の絶妙なやりとりは一見の価値アリ!子どもたちも大爆笑です

 

『学生ロマンス 若き日』

1929年(昭和4年)103分

監督/小津安二郎 原作、脚色/伏見晃  撮影/茂原英雄

出演/結城一郎、斎藤達雄、松井潤子

 

小津監督の現存する最も古い作品。

一人の美女をめぐる二人の男子大学生の恋のさや当てを、スキー旅行をクライマックスに描いた青春ドタバタコメディ。

 

『非常線の女』

1933年 松竹キネマ 100分監督 小津安二郎

出演 田中絹代、岡譲二、水久保澄子、三井秀夫、逢初夢子

ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督の『暗黒街』(1927年)や『非常線』(1928年)、ウィリアム・A・ウェルマン監督の『暗黒街の女』(1928年)など、アメリカ映画に影響を受けた小津監督の和製ギャング映画。『朗かに歩め』と『その夜の妻』(1930年)とともに、小津の暗黒街ものと言われる。岡譲二が暗黒街の男、今年没後40年を迎える田中絹代は、昼間はタイピストを務める勤勉なビジネスガール、夜は一転してギャングの情婦という役を演じている。

 

溝口健二監督

 

 『瀧の白糸』

1933年(昭和8年) 98分

監督/溝口健二  原作/泉鏡花

出演/入江たか子、岡田時彦

 

泉鏡花原作、溝口監督のサイレント期の最高傑作。

愛する男のために尽くす女の姿を哀しく美しく描いた感動の名作。昭和8年キネ旬第2位。

 

 

斎藤寅次郎監督

 

『子宝騒動』

1935年(昭和10年) 松竹キネマ蒲田作品 34分

監督/斎藤寅次郎

出演/小倉繁、出雲八重子

 

喜劇の神様と呼ばれた斎藤寅次郎監督の無声映画時代の最高傑作。貧乏人の子沢山、

失業中の亭主の奮闘コメディ。短篇喜劇としては異例のキネ旬ベストテン入り作品。

 

 

『明け行く空』

1929年(昭和4年) 松竹キネマ蒲田作品 60分

監督/斎藤寅次郎 ●脚本/水島あやめ

出演/川田芳子、高尾光子、河村黎吉

 

喜劇の天才斎藤寅次郎監督初期の母モノ。

やむなく別れた母と娘と祖父の麗しい愛情と、昭和初期のほのぼのした村の日常を描く。

 

 

『モダン怪談100,000,000円』

1929年(昭和4年) 松竹キネマ鎌田作品 16分

監督/斎藤寅次郎

主演/斎藤達雄、松井潤子、坂本武、小倉繁

 

駆け落ちした若い男女が赤城山で国定忠次の幽霊と出会うドタバタコメディ。

 

 

『石川五右ヱ門の法事』

1930年 松竹 21分

監督/斎藤寅次郎  出演/渡辺篤、横尾泥海男、青木富夫、坂本武

 

有名な盗賊が自分の子孫を助けるために幽霊になって復活。

喜劇の神様とも呼ばれた斎藤寅次郎監督のハラハラドキドキの作品。

 

 

内田吐夢監督

『虚栄は地獄』

1925年 朝日キネマ合名社 15分

監督/内田吐夢

出演/滝田静江、長谷川清

 

自分の職業を偽って結婚した若い夫婦が本当の職を隠し見栄を張るほどドツボにはまっていく…。内田吐夢監督初期のドタバタ風刺コメディ。

 

 

『生命の冠』

1936年 日活作品 (本来トーキーだが、無声版)54分

監督/内田吐夢

原作/山本有三

出演/岡譲二、滝花久子、原節子

 

現在の北方領土で蟹缶詰製造所を経営する兄弟の葛藤を描いた良心的作品。

流氷のオホーツク海、蟹漁の様子など、現地ロケーションによる貴重な映像が随所に見られる。時代背景は、小説「蟹工船」と重なっている。

 

 

文芸作品

 

『伊豆の踊子』

1933(昭和8)年 松竹蒲田作品 93分

監督/五所平之助

原作/川端康成

出演/田中絹代、大日方傳、小林十九二、若水絹子

 

踊子薫と学生水原の淡く切ない恋物語。可憐な踊子を田中絹代が好演

川端文学に挑む巨匠五所平之助の青春篇。 キネ旬第8位

 

 

『不如帰』ほととぎす

1922年(大正11年) 松竹キネマ蒲田作品 25分

原作/徳富蘆花  監督・脚本/池田義臣

出演/栗島すみ子、岩田祐吉、鈴木歌子

 

徳富蘆花の出世小説「不如帰」の映画化

日清戦争下の文芸悲劇で、舞台化の後何度も映画化されたが

栗島すみ子の人気で本作がよく知られている

「人間は何故死ぬのでしょう。生きたいわ、千年も、万年も…」の浪子のセリフは有名

 

 

『東京行進曲』

1929年(昭和4年)日活太秦現代劇部作品 縮刷版25分

監督/溝口健二  原作/菊池 寛

出演/夏川静江、島 耕二、小杉 勇

 

雑誌「キング」に連載中だった菊池寛の同名小説の映画化。小唄映画の時流に乗って

西条八十作詞、中山晋平作曲で作られた主題歌と共に大ヒットした作品

 

 

『波浮の港』

1929年(昭和4年)東亜キネマ作品  縮刷版25分

監督/根津新

出演/高田稔・歌川るり子

 

野口雨情作詞、中山晋平作曲の流行歌をモチーフにした小唄映画。大島から出てカフェで働く女の物語。モボ・モガの青春篇。

 

 

『福寿草』

1935年(昭和10年) 新興キネマ作品 45分

原作/吉屋信子 監督/川手二郎

出演/江川ほなみ、岡崎光男、久松三津枝

 

少女小説の先駆者吉屋信子の花物語の中から映画化された一篇。

思春期の少女たちの淡い恋と思い遣りを描いた良心的な感動作

 

 

『美しき愛』

1931年(昭和6年) 松竹キネマ蒲田作品 32分

原作/水島あやめ 監督/西尾佳雄

出演/高尾光子、河村黎吉、突貫小僧

 

水島あやめ原作の少女小説を、農林省畜産局がタイアップして映画化

静かな農村を舞台に親子の情愛を描いた涙をしぼる佳作

 

 

『海浜の女王』

1927年(昭和2年) 松竹キネマ蒲田作品 15分(ダイジェスト版)

監督/牛原虚彦  出演/鈴木伝明

 

鎌倉を舞台に、スポーツマンイケメン俳優の鈴木伝明が新聞記者を演じ、女装して大活躍。

 

 

『翼の世界』

昭和12年 日活多摩川作品 無声縮刷版40分

監督/田口哲 ●原作・脚色/武田寅

出演/島耕二、黒田記代、中田弘二

 

日本航空輸送会社との大々的タイアップで製作された日本初の本格的航空映画

東京飛行場に勤める二人の操縦士の友情物語

 

 

『お父さんの歌時計』

昭和12年 日活多摩川作品 無声縮刷版20分

監督/吉村廉

出演/山本礼三郎、星玲子

 

本来はトーキー作品だが、地方巡回活弁用の無声縮刷版しか現存しない。貧しい中支えあい想い合う家族の絆を描いた、吉村廉らしい良心的佳作

 

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